さていつもどおりお久しぶりです。

新天地・那覇に越してもうすぐ1年。早い。
最初の印象どおり、ここ沖縄は、日本本土よりも台湾です。そりゃ当たり前な話で、東京よりも台湾の方が近いのだもの。ここでは国境以上に物理的距離が、人、文化、風景、さまざまなものに影響を及ぼしているということを、毎日実感して暮らしております。

さてその台湾。この5月に色々と縁があったようでなかったのかもしれない台南に、3年ぶりに訪れることとなった。

どういう経緯でそういうことになったのかは全く覚えていないが、GWだしキャンプしよう!という安直な思いつきを、長年の友人・阿銘(あーみん)に話を持ちかけてみた。
※台湾ではGWでもなんでもない

ここ最近台湾でも、猫も杓子もアウトドアだーキャンプだーと大騒ぎなようで、ハヤリものが大好きな彼も言わずもがなそのブームに乗っかりまくっており、この提案にも「異議なし!」と即答。
てなわけで、台湾アウトドア大旋風を目撃すべく、久々の訪台となったのである。

この4月から、Peachが我々の住む那覇から台湾の南の入口・高雄へ乗り入れることとなり、台南に行くのにいちいち高い金払って、台北からくそつまらない新幹線の旅をする必要がなくなった。コンビニ弁当以下レベルの有料機内食や、極限まで席数を増やすべく改造されたタイのミニバスよりも狭いシートには目をつぶろう。グッジョブ、Peach!

 

沖縄と同じ空気

 

2015年、しばらくここに住むのか〜と新生活にワクワクしながらやってきた高雄空港、いろいろあってその後1ヶ月で台湾を電撃出国天国のようなビーチを見て帰国し、東京に嫌気がさして逗子に引っ越し、その直後にまさかの沖縄移住とか、濃い3年間を経たのちに改めて見直しても、何ら変わったところは無い。言い換えれば、濃い3年を経てもこちらが変わっていないということでもある。

エントランスでいつものように阿銘に笑顔で「久しぶり〜」と迎えられ、駐車場へ出る。陽射しは沖縄よりも強い。生えてる木々が沖縄と同じだからか、国境を越えた気が全くしない。実家に帰った時の方が越境感があった。

それでもなんとか、やたらメニューの多いドリンクショップだとか、どうしてか上着を後ろ前逆に着てバイクに乗る人を見て、ああ、台湾だ、異国だ、と意識する。てか、後ろ前に着るならジッパー閉めればいいじゃん。

 

東京じゃありえないが、沖縄にはありえる放置された廃墟

 

途中、食材を買うためにスーパーに寄る。とってもショボくてコンビニに毛が生えたような程度のスーパーには、アボカドなんてオシャレなものはないので、作る予定だったワカモレは忘れることにする。野外生活というものは、そもそもあるものを工夫して行うものである。臨機応変さが肝心だ。

どうでもいいがつい先日、ん十年ぶりにアーモンド小魚を食べてみたところ馬鹿みたいに美味いことに気がついた。子供の頃、嫌がって食べようとしなかった自分に腹立つくらいに美味かった。

まさか台湾にあるわけな……とスナックコーナーを見てみれば、ドンキとかで売ってるうまい棒ジャンボパックみたいなサイズでわんさか売っている。

 

配分がおかしくて最後アーモンドばかりになった台湾バージョン

日本で見たことのない、柿の種ミックスなんてのもある。もしかしたらアーモンド小魚は台湾から日本にやってきたのではあるまいか?カルシウムとビタミンDが同時に摂れるなんて、一生骨粗鬆症知らずの人生が約束されたようなもんだ。キヌアやらチアシードなんかより余程信頼のおけるスーパーフード、子供には無理やりにでも食わせるべきだと思う。

 

日本にはこういった製品はありません

 

ちびろっく最愛のシェフ・ジェイミー、日本でももっと露出してほしい

 

さてひととおりの買い物を終え、キャンプ場へ向かう。高速に乗った瞬間、なんだかとっても雲行きが怪しくなってきたが、皆見て見ぬふりをして、久々の海外キャンプに胸踊らせる。

高雄からだいたい1時間、屏東縣にある「穎達 X 沐麓農場」へ。変な名前だがFBがそういうのだから仕方ない。

そこらへんの農家のおばちゃん風情な受付嬢と、阿銘が二、三言交わして車をすすめるとそこは、

 

シンプルイズベスト

 

野っ原!!!

キャンプサイトと呼ぶのも気が引けるほどの質素な野っ原。名前はややこしいくせに。

だがこれが本来のキャンプ場たるものではないだろうか。テントを張り、卓を広げ火をおこし、友と語らうのにこれほどうってつけの環境はあるだろうか。

そしてなんたってですよ、誰もいないのですよ。我々の他にはひとっこひとり。

阿銘は「シンプルで安くていいが、トイレとシャワーがあまりキレイじゃないから人気無い」と言うのだが、いや、(一応)日本人から見ても、掃除が行き届いてて全然キレイだが…台北バスターミナル内ショッピングモールの「インスタバエ」するゴージャストイレを求めているのであればキレイではない。だがキャンプ場としてはじゅうぶんである。

想像以上にきちんとしてそうな台湾キャンプ場にすっかり満足し、さあ、我々の寝床とくつろぎの場をつくろうではないか、と、阿銘が車から道具一式を引きずり下ろすと

 

 

 

 

 

引っ越し????

 

こないだ我々が、逗子から那覇に引っ越した時に運んだダンボール分くらいの荷物が、一同に並ぶさまは圧巻である。家出…?と呆然とする我々を横目に、サーキュレーターの電源を入れて得意げな阿銘。

シンプルな道具で快適に過ごすことこそが、キャンプの醍醐味と信じていた我々は面くらいつつも、沖縄から運んできたささやかな荷物を広げて準備にとりかかる。

 

おニューのテント

我々の家財道具は、このテントとコット1つ、イス2つのみ。

テーブル2つ、ベンチ、チェア、棚、リビングルームを再現した阿銘豪邸に比べたらショボい家である。

 

タープを広げていた阿銘が、ポールを見てみろという。ヒモが隙間なくびっちりと巻かれている。

 

一体この紐は何メートルあるのだろう

 

「2週間かかった」

 

ご、ご自分でされたんですか……………?????

ついこないだまでは、足がチャリンコですかってほどにチャリンコに乗りっぱなしのオールタイム・チャリダーだったのに、少しおとなになったと思ったら1日2時間トレーニング漬けのアグレッシブ・マッスルビルダーになったと思ったら今度はクリエイティブ・キャンパーに鞍替えしている。

夜な夜な棒に紐を巻き続ける姿は、まんが日本昔ばなしで常田富士男さんのナレーターで再現したらきっと、不気味な風景になるだろう。なにかに掛かりきりになりがちな人間を、少し距離をおいて見るのは実に愉快だ。ひとつ屋根の下にはあまりいてほしくない気もするが。

 

そうこうして、家財を広げきったら、後やることは飲むだけである。

 

共通言語・野球ネタで盛り上がる台湾人と日本人

 

どうでもいいが、かつて、ビールだワインだ日本酒だと、「醸造酒しか飲めませ〜ん」とかのたまっていたちびろっくはもういない。沖縄に引っ越ししたその瞬間から、泡盛とウイスキーしか飲めない蒸留酒体質にトランスフォームしてしまったため、今回もマイ泡盛持参。最新のエアコンのごとく、適切な状態に自動調整されるこの身体!

そのうち、阿銘の奥さんが仕事を終えてやってきた。
台湾人が大好きな、「鹽酥雞(シェンスージー)」という唐揚げ各種を持ってきてくれた。しかしこいつが、どこの店のを食べても、ショッペくてモッタリ。普通に作ったクノールカップスープをショッペーという台湾人が、なにゆえこんなショッペーものをうまそうに食べるのか?誰に聞いても埒が明かないので、謎は解けない。

 

 

しかし、野菜や肉は、リッチなものがそこらへんの市場で普通に買える。今日も阿銘が仕入れてきてくれた豚肉とソーセージも、ただホットプレートで焼いただけなのに大変上等でございました。

昔、ここで生活してた時にも思ったが、良い素材が揃う台湾は自炊が一番。日本人はなぜか、台湾は外食がうまいと思いこんでいるが、思い込みだ。各国料理の店が軒を連ねる日本に「台湾料理屋」が極めて少ないのはそういうことだと思う。

 

 

 

食べた!飲んだ!喋った!酔っ払った!
もう大人なので、満足したらさっさと寝ましょう。

阿銘は我々の搬送と豪邸の建設でくたびれたのか、ぐうすかと高らかなイビキをかいて気持ちよさそうに眠っていた。重労働ありがとう阿銘。

 

 

翌朝、一番歳を重ねているちびろっくは誰よりも早く起床。そして、阿銘が昨晩仕掛けた、「古い伝統を捨て新時代をつくる、現代人的」なハエ取り紙がなかなかの仕事をやり遂げたのを見つける。(※オトリの絵がいくつあるか、わかるかな?)コバエがホイホイよりも余程いい仕事をしている。

 

涅槃仏?

気持ち良い朝。しばし散歩。

キャンプファイアーとか、キャンドルとか、朝ヨガとか、なんか想像しただけでムズムズする系のアクティビティが似合いそうな広場に出る。が、今日もやっぱりひとっこひとりいない。

 

ヲシャレキャンプエリア

静かで何より。

 

なにこの贅沢

しばらくすると阿銘が起きてきて、写真を撮りまくる。
この朝は、確かにインスタバエする。しっとり、ひんやり、気持ちが良すぎる。

やがて皆が起きたので、朝ごはんの準備。

 

コーヒーは、小難しい

 

最近、コーヒー@キャンプにハマっているというので、いつもお世話になっている那覇の名店Potohotoさんでコーヒー豆を買ってきた。このお店でもちょいちょい仕入れているが、台湾のここら辺はコーヒーの産地で、農園もカフェもたくさんあるのだ。コーヒー好きなら一度は、阿里山周辺のコーヒー街道をドライブしたらいい。

ミルもケトルも温度計もしっかり持参。人間、何かに凝ると金がかかる。が、このように他人に福をもたらしてくれるものは良いとおもう。

ちびろっくも最近、近所の(実にラフな)ホテルのカフェで働きはじめてみたが、偶然にもそこがPotohotoさんの豆を特別ブレンドで仕入れているという。ボスがいくら練習したっていいよというのでお言葉に甘えて、豆を自分で挽きまくって淹れまくって飲みまくっている。良い豆でちゃんとした手順で淹れれば、実に鈍感なちびろっくの舌でも「やっぱ違うわ〜」と思えるものだ。いや、思い込みかも。

 

 

台湾近いから、と軽い気持ちで持参した激重・ロッジのスキレットで、自家製ミックスのパンケーキを焼く。しかしコーヒーにパンケーキなんて、キャンプの朝食っぽすぎてなんだかGooutとか山ガール系の雑誌で勉強してきた人みたいだが、それっぽいだけあってしっくりくるのも事実だ。

 

ヒンヤリと気持ちの良い時間はまたたく間に過ぎ去り、台湾南部5月の容赦ない陽射しがサンサンしてきたので、非常にめんどくさいが片付けに取り掛かる。できるだけ楽な仕事を選んで動くが、それでも暑い。阿銘が汗だくになりながらも、サーキュレーターをこちらに向けてくれる。相変わらずのジェントルマン。

 

さあ、帰ろう。台南に。

静かで楽しかった一晩を終え、帰路につく。

我々は台南の街なかで一泊してから帰国だが、空港まで送ってくれるという。いつもどおり、どこまでも親切な阿銘夫婦。

 

 

どれだけ価値のあるチャリだったのだろう

 

どうしても鍵がはずれなかったようで、無残にもタイヤのみが取り残されたチャリンコを目撃。
妙に、そのチャリの顛末が気になった。ふつうに盗まれたのか?それとも持ち主自らがやむを得ずそうしたのか?シュールな光景はどうでもいい他人事だろうと、心に残る。

 

さて台南の街で何をしよう?
懐かしいあの人たちに、会いに行こう。

 

 

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