寒い!

昨日までの何もかもどうでもよくなるような暑さはもう忘れた。今ここは、首都トビリシから北へ3時間、ステパンツミンダという高所である。ステパンツミンダというのが現在の呼称だが、大体昔の呼び名、カズベギが通じる。「ステパンツ民だ」と変な変換になることもあり、ここではカズベギと呼ぶ。

別にトレッキングとかそんな元気なものには大して興味はないが、トビリシはやかましいし暑いので、気分転換には丁度良い小旅行。景色がすごいらしい。にしても最低気温5度…ちょっと寒すぎやしないか。ヒートテックよ、我に力を与え賜え!

カズベギへ行く手段としては、

① 乗り合いマルシュルートカ(どこでも行っちゃうミニバス):10 GEL
② プライベートタクシー、途中観光付き:80〜120 GEL

このふたつがメインらしい。
せっかくだから景色の良い所には寄ってみたい。ひとまずバスターミナルへ行ってみよう。

トビリシのほとんどのバスとマルシュルートカ(どこでも行っちゃうミニバス)が発着する、ディドゥベターミナルへ。悪名高きヤンゴンのそれと違わず、カオス満開

案内表示という概念はない

行きたい地名を叫ぶと誰かが引っ張ってってくれる、のはある意味効率的か

あと何人いけるかな〜

期待して待ってると、期待通りに「カズベギ?」とお声がかかる。ひとり20 GELで途中の見どころにも寄ってくれる乗り合いタイプらしい。文句なし。ではよろしく〜、とバンに乗り込む。

あと3人くらい連れてこないと出発しないだろうな〜と、バナナとパンを調達して朝ご飯。あんまりにごちゃついてて楽しいのでウロウロしたりしてみるも、いっこうに3人も来る気配がない。

声をかけるおっさん、車に連れてくおっさん、気づいたらドライバーも、みんな違うおっさん。

1,2時間は待つかなと覚悟しているとこれまた別のおっさんが、「2人で80ですぐに出発できるプライベートタクシーあるけどどう?」と。んー、80なら結構です。とお断りするとすぐさま70に。ひとり20で長々待つなら、ひとり35でプライベートのがいいか。とOK。いろんなおっさんたらい回しで、最終的に快適なオデッセイからちょっとポンコツなワーゲンに乗り換えて準備完了。

まあ文句は言いますまい

我々が乗り込むと同時に助手席に、やせ細ったいじめられっこ風の青年旅行者がサッと乗り込み、「こんちは!」我々に発言の余地を与えぬまま、約束通りその瞬間に発車プライベート、では、ない、が。まあ、いいけど。

青年はこちらに興味津々で、非常につたない英語でウクライナから来た、と言う。君たちはどこ?アイスランド?

日本人だと言うと、そういえば!という顔をして、昔見たseven men(おそらく七人の侍)の映画で、アイスランド人が出てると勘違いしたことあったっけ、子供だったからね〜と笑う。

なんせここには中華系がいないから、チノだシノだコリアンだのかわりに、カザフやらアイスランドやらになるのであろう。トビリシっ子曰く、10年くらい前には中華系がわんさか押し寄せて、店もたくさんあったというが、今となっては皆無。世界中どこの街でも見かける中華料理屋が、ここトビリシには1軒もない。おかげで邪険に扱われることもなく、そういう面では快適である。

ちゅわけで4人のドライブ開始。ロシアにつづく、軍用道路をどんどん北上いたします。

男のわりにはよーく喋る2人

ドライバーはほとんど英語がわからず、ジョージア語とロシア語のみ。ウクライナ語はだいぶロシア語に似てるとのことで、ウクライナの彼は何か情報を得次第、必死に英語に訳して我々に報告してくれる。途中にある、プーシキン(か何か作家の)像のこと、途中に見えたジュヴァリ修道院には、昨日ウッカリ徒歩(ステップ・バイ・ステップと彼は言う)で行ったら案外遠くて日が暮れて…etc いじめられっ子そうに見えるが案外よく喋る面白いウクライナ君。

ダムの底にはドラマがある

ここのダムは春と秋に水位が下がり、その時だけ教会が現れるそうだ。日本にも村が沈んでたりするのあるな。

手前のが邪魔で十字架が見えない

このダム沿いにあるAnanuri Churchは、17世紀に建てられた教会。要塞としての機能も果た…てウクライナ君が!

 

中世の騎士になってる!

ギャグでもなく、本気で楽しんでいるようだ…。

撮影会も終わり気が済んでさあ教会の中にでも入ってみようというところの手前でまたなんか同じようなの着てる!

コスプレ好きなのか…?

再度、金を払ってまた同じことをしだしたので、隣りにあった鎖かたびらでドラクエのレベル15体験(3 GEL)をトドマンにすすめる。せっかくだからこう、剣を交える感じで…とリクエストするも、ウクライナ君にシャイに流されて実現せず。そこはシャイなのか。

鎖かたびらを纏ったトドマンに、周囲の人からかけられた言葉は、

「ジャパン!ヤクザ!」

この顔で刃物持ったら…まあ仕方ないよね!
しかし20キロもの鎖かたびらをまとって戦う騎士のインナーマッスルたるや、超絶凄いんだろうなあ。

中はきちんと、静謐な教会です

一般的な観光地お土産売り場の風景

外側には、こういったよくある土産物屋が。現地名産のフェルトで作った靴下とかはまあわかるが、こんな所で「Georgia」とかでかでかと描かれたTシャツとか皿とか、誰が買うん……ウクライナ君が嬉しそうに買っている!!!!

「家の壁に貼るんだ〜」

先程のコスプレ写真といい、帰ったら絶対どうでもよくなりそうなお土産物といい、誰が金だすの?商売になるの?と長年不思議だったが、いるのだ、ここに、想像だにしなかった超正統派の観光旅行をする人。疑問解消。

よくある風景だが好きだこういうの。

車?何それ

しばらく走ると、エベレストみたいのが見えてきた。

ころころと景色が変わる

と思ったら、次に止まったところがすごかった。

 

天空の城?

何も予備知識がなかったから、次々に現れるすげえ所が余計にすげえ所に見える。

楽しく友好しよう!

ここはロシアとジョージアの友好記念モニュメント。

長々とロシアに侵略され、いまだにロシア支配下のデリケートでホットなエリアもあったりするので、仲良しとは決していえない。でもジョージア人の生の声を聞く所、観光客の大半はロシア系(ウクライナとか旧ソ連系含む)だし、ふつうの人レベルでは関係は悪くないらしい。日本と中国みたいな感じかな。

本当にね、どこもそうだけどあまりに雄大・壮大・荘厳な場所に来ると、いくら雄大・壮大・荘厳の類語とか述べまくっても、パノラマ写真や動画を撮ろうと、絶対に伝えられないこのもどかしさを感じる。自慢してすみませんがね、これも訪れた人間だけに与えられる恩恵なのであります。Youtube動画とかで行った気になってるあんた、全然違うから実物。だから皆、スマホを捨て旅に出よう!

すみませんそうは言ったもののiPhone無しでは旅がままならないちびろっくです。

だってコレですよ

とても寒そうなイスラエル系の人に、寒そうで消え入りそうな声で「スカイダイビングやらない…?」と誘われるも、そう、きみもご存知なように寒いしね、今日は結構です。

途中でウクライナ君が教えてくれたように、ここはスカイダイビングのメッカだそうだ。1,000円くらいだったらな。やってもいいがな。

すごすぎてお腹すいたので、自家栽培のチェリーを購入、おいしい

WordPressの限界を知る。後ほどアルバムを披露します。

 

想像を絶する充実の道中。長くなったのでメインは後半へ。

 

■■本日の旅行情報■■

・タクシー(旧市街→ディドゥベバスターミナル)
7 GEL(たぶんもっと安くもなる)

・乗り合いタクシー(トビリシ→観光3か所→ステパンツミンダ)
→ 2人で 70 GEL + ウクライナ君が別途いくらか払ったであろう

・観光地 → 無料!

・さくらんぼ → 5 GEL (ごねたら10から半額になった)

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