さてこれからようやく、本日のメイン・エベントに入る。

更に電車を乗り継いで、ベルリンの東のはじっこへ。それは、荘厳なつくりの建物内にあるから、パッと見でそんなものとは分からない。

 

なんだか安心感

見慣れた人たちが…。

 

この違和感がまたいい

やってきました、Computerspielemuseumこと、コンピューターゲーム博物館!!

ここは、世界でも初めてのデジデジ系常設展示の博物館とのこと。
16,000ものゲームタイトルと1万近くのテクニカル系雑誌とその他多数の資料を有し、レトロから細心のゲームコンソールを数多展示する、ヨーロッパでも有数のソフト&ハードウェアの展示場だそうだ。ヨーロッパと言うか日本でいっても、かつての電力館しか思いつかない。てな感じでゲームオタは一度は訪れるべき聖地がここにあるのである。

受付のお姉ちゃんと比べてみてね


厳かな気持ちで入場すると、等身大…以上の、おなじみのおともだちが出迎えてくれる。

ショップには心くすぐるグッズがたくさん売っており、ビジュアルブックなんか最高に惹かれるものだったが、まだ旅は続くし機内預け入れ荷物は金がかかるというケチ精神により、諦める。

 

ゲーマーたるもの、オサレも忘れずに

 

明日帰るのであれば確実に買っていた1冊

さて、展示物を見てゆきましょう。

まずはMac。
今これを書いているのもMacであるがため、技術の発展を肌レベルで感じるよ!

 

そのものがアイコンのような単純さ

 

かつては画期的と言われていたレトロな機種たち…ワープロ?

自分が1970年代に生まれてなにが良かったかって、ゲームだとかコンピュータだとか携帯電話だとかの黎明期を見られたことじゃないだろうか。パパが30年くらい前に持ってた携帯電話なんて家電の子機どころかドライヤーみたいなサイズだったし、ドラクエのふっかつのじゅもんなんて専用のリングノートに鉛筆で書き留めてたり(しばしば書き間違えて発狂)と、まだまだアナログな作業が必須だったあの頃から、音楽も映像も何でもかんでも無線で世界中と簡単に繋がっちゃう最新鋭のテクノロジー時代も経験できてる40代前半、一番有り難みも面白味も感じられているオトクな世代だとおもう。

 

この、全く愛嬌もクソもない機械が、ゲーム史における非常に重要な一台というNimrodであったことを、これを書いている今ようやく気づいた。全く楽しい時を過ごせる気がしない無表情なやつだが、しかし展示会に出席した、当時経済大臣だったルートヴィヒ・エアハルトは、たかがコンピュータだろと軽い気持ちで対戦を挑んだ所こっぴどくやられ、そばで見ていた首相・コンラート・アデナウアーを爆笑させたというエピソードを持つ、腕の立つやつだったようだ。

 

長丁場なゲーム

それより遡り更に古いものとなると、しまいにはお便りでやりとりするチェスとなる。
当時の郵便事情を考えれば、ゲームセットまでゆうに1年はかかるのでは?季節の移ろいを感じながら、そろそろ桜が咲くから、アーノルドから次の手がくるかな、なんて気長に待つのもいいですな。
最近のゲームのスピード感、この当時の人々が見たらひっくり返ること必至。

 

大人のこんなに真剣な顔をなかなかみることはない

 

くつろぎすぎだろ

 

ボタンさえ壊れてなければ

鉄拳5発見!海外で鉄拳を見つけた時のみ、日本人的プライドがむくむくしてくるんだから、やらないわけにはいかないのである。

ガキがずっと陣取っているようだが、そうはさせん。

無理やり退かせて、意気揚々とコントローラーを取り上げるも、その勢いで全く使えないキャラを選択してしまい、青年にフルボッコされた。多少容赦しろよ!ゲルマン民族が!

あんまりにすぐに終わったのでもう一度やらせろと、ジャイアン風をふかせて再戦を挑む。得意キャラを選択したはいいが、ボタンがひとつ効かず、先ほどよりはマシとはいえまたフルボッコ。

しびれを切らしたガキにコントローラーを奪われた。

ボタン壊れてるよ!と警告するも聞く耳持たず。そんなスタンスじゃ一生勝てないぞ!
さて、これまでもまあまあ熱くレポしてきたが、個人的に一番色めきだったものはこれ。

 

こんな所で正体がわかるとは

 

Clones だとか Home Pong だとかたくさん出た


ファミコン発売前。
当時まだ小学校に上がる前にちびろっくが夢中になったゲームは、線と丸だけでサッカーとホッケーとテニスをプレイできるものだった。いや、サッカーとスカッシュ?卓球?なんせ線と丸だけなんだからなんの球技かは曖昧。何が違うかというと、左右はじっこの縦線の長さ。サッカーはゴール分あいてて、ホッケーはそれより狭くて、テニスは線がない。

どうやら、あのゲームが、この今まさに目の前にあるPongのようなのだ。
第一世代家庭用ゲーム機のひとつとのこと。

調べるとキリなくいろんなPong派生形や、類似商品などが出てくるので特定はできないが、この目の前にある機械が大元であることは確かなようだ。

その10年以上後に生まれる弟以外、ゲームをやる人間は家族にいないのに、ファミコンのみならずなぜこんなに渋いコンソールがわが家にあったのか?父親も覚えてないので真相は闇の中。

幼少時代の経験が、その後の人生にいかに影響を及ぼすかは誰も知ったこっちゃないが、個人的経験で確実に言えることは、

 

・TVゲームにはまる

 →ドラクエはもちろん通る

  →東西南北の感覚が身に着く

   →地図が読めるようになる

 

数少ないちびろっくのアビリティである、優れた方向感覚は、大元をたどれば間違いなくこのPongから養われたものである。初めての街でもだいたい目的地にたどり着ける、旅には必須のアビリティ。

この能力なくしては、この博物館にもたどりつけなかったかもしれないね!(というか、興味が無くて来てないだろうね!)

ゲームのことしか頭になかった少女時代。シルバニアファミリーだとかサンリオだとか、フェミニンなものには全く興味を持たず、無心でテレビ画面と対峙していた時の記憶が、まさかこんなベルリンの片隅でよみがえるとは。事前に想像もつかないものに出会えるのが旅。もっと早く来ときゃよかった、ベルリン。

ちなみに、ここに来たら必見&必プレイなのが、(ちびろっくは完全に見逃した)その名も

PainStation

文字通り苦痛をあたえてくれるステーション。

一人でやっても全然楽しくないね!

 

 

プレイするゲームは件のPong。2人で対戦。
プレイヤーは左手を、備え付けのメタルな部分(何が起きるか想像つくね!)に置き、ボタンを押し続ける。ボタンを放すとその時点で負け。自分側にある3種類のアイコンにボールがヒットすると、アイコンの種類に応じて左手が焼かれたり電気ショックを受けたりムチで打たれたりする。

度合いはどんなもん?2分、6分、7分すぎあたりの右の人の反応をみると、ナメてかかっちゃいけないことがわかるね!彼らのリアクションでこのゲームの怖さがよくわかるので、通しで見ることをおすすめする。だんだん皆ナーバスになってくるのが笑える。次回は是非大勢で行って、他人が痛みにもんどり打つのをぜひとも眺めたいものです。

 

あんまりやりすぎるとこうなります。いくらマゾでも、ほどほどにね!

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