食べることが、人々の最大の喜びといっても過言ではないフランス・パリ。

食に妥協を許さぬ彼らの売る食材で、自炊ができるとは恐れ多いがとても楽しみであった。

旅先の市場やスーパーで、これであれができる、あれでこんなのもできると想像するばかりで出来合いの食べ物を買うしかなかったこれまでとは違い、なんでもできる!夢のようだ!

キッチンこんなふう

キッチンこんなふう

恵まれたことに、我々が居を構えることになったこの地区、モンマルトルという屈指のド観光地のすぐそばにも関わらず、裏っかわなのでローカルしか歩かない。

父親曰く、「40年前の青山一丁目みたい」

ジェネレーションギャップのおかげで「そうだね」と賛同はできないが、そんな感じで、小規模経営のこだわりありそうな食料品屋がぽつぽつ点在している、最高の環境なのであった。
しいて言えば30年前の自由が丘みたい。←ちびろっくももう中年。

バゲットとクロワッサン無しでは死んでしまう彼らだから、パン屋は言わずもがなそこかしこにあるとして、

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絵に描いたようなパン屋。

わが実家のご飯ではハレー彗星並に、おニクの出現率が低いので、パリではとことん肉を食べようと決めた父と娘。そんな我々に用意されたかのように建つお店が徒歩1分のところに。

 

オーナー若いのに本まで出してる有名人らしい

若い男性からおばちゃんまで客層広い

店頭ディスプレイに若い男性の写真が表紙の分厚い本が飾ってあり、店のカウンターにはそのご本人がいるではないか。
彼はティモシーさんというらしく、サイトでは文字通り肉林に囲まれて微笑む彼はパリ肉界ではなかなかの有名人らしい。

この迫力

この迫力

アイガー北壁のごとく、急峻にそびえるアンガス牛。

この崇高な出で立ちにも惹かれたが、今日は豚ちゃんの気分だったので、その旨ティモシー氏の右腕(と思われる兄さん)伝えると、いくつかオススメを教えてくれた。その中から、初回は素材の味をシンプルに味わおうと、例の「どんぐりしか食べたことないし」と高慢ちきなイベリコ豚ロースを2枚切ってもらった。たった5ユーロ程度で済んだ。
キロ表示ってわかんないからドキドキするが、好きなだけ買えるからこっちの方が合理的だね。

そのすぐ向かいには、確かに、青山一丁目の路地裏にぽつんとある、わざわざ地下鉄乗り継いで来る常連が多そうな、こだわり食材の店風な店がある。

お茶もビールも野菜もなんでも

お茶もビールも野菜もなんでも

元気に挨拶して中に入ると気の良さそうなマダムが「何でも聞いてね」と、初っ端から感じがいい。
このお店は、このマダムがわざわざ足を運んで話をして、ここぞと見込んだ生産者からのみ仕入れたものを販売しているとのこと。誠実さで出来杉君に引けをとらないそんな店がうちの目の前に!前途有望!

これはなんだあれはなんだと話を聞き、野菜のオイル漬けと牛乳と瓶入りガスパチョと牛乳を購入。全部で17ユーロと安くはないが、外食したらこの金額で1人1回分だもの。ケチケチしなさんな。

ここの牛乳、2.5ユーロとスーパーで買うよりは高いけど、この濃厚さ、甘さ、初体験!

クリーム?

クリーム?

蓋についた牛乳は、もはや牛乳ではなく、天然のクリームだった。
賞味期間はたったの2日。いいものは、新鮮なうちに消費されるべきであるのだ。

第一回目のお料理開始。
キッチンのものは何でも使っていいと言われているので、遠慮無く片っ端からスパイスやハーブをチェック…さすが料理好きなフランス人、仏製のごま塩まで揃えてるよ。

野菜のオイル漬けと一緒にワインビネガーで肉焼いて、トマトサラダとガスパチョ出して完了。
所用約10分のお手軽料理。

脂ってこんなにおいしいものなのか

これが…脂だと…?

なんだこの脂の旨味!

いい肉の脂身はこんなにも美味いのかと初日から感動の渦。
この店が実家の近所にあったら、もっと実家の料理に肉が出てくるようになるんではなかろうか?焼きそばの肉もソーセージじゃなくてちゃんと豚肉になるのではないだろうか?
肉ばっかじゃもたれてしまう、つことで父親の他のお気に入りディナーはオムレツ。

更に先に行って大通りに出ると、びびるほどオーガニックだとかビオだとかの店があるのだけど、そのうちの超人気八百屋さんで買った卵がすごかった。

ひっきりなしにひとがくる

ひっきりなしにひとがくる

鈴木その子ばりに外も黄身も色白な見た目に反して味が濃い!
冷凍庫の中の、いつから放置されてるかわからないチーズを包んで、塩こしょう無しでオムレツ作ってみたらあんた!

たまご様最高

たまご様最高

日本で「フランスのオーガニック卵でつくったオムレツ」とか名前つけたら、行列のできる朝ご飯として売れるんじゃねかと思った。
誤解なきよう、ちびろっくは焼いただけだ。たまご様がすごいのだ。
に加えて、みすぼらしい見てくれの冷凍チーズが、完璧に味を整えてくれた。
こんな良質な食材が簡単に手に入るとは、やはりフランス人の食に対するモチベーションの高さは半端ない。

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ほかのビオマートの野菜ちゃん

カルフールですらこの品揃え

カルフールですらこの品揃え

父親帰国の日、最後のお昼ごはんも作ることにした。
がっつり食べ納め!とゆことで、ティモシーさんとこでまたおニクを仕入れた。

鶏でも豚でもコロッケでもなんでも

鶏でも豚でもなんでも

手前の、レッドペッパーとかレモンとかでシーズニングされた鶏もも肉と、何がしかでマリネ済のスペアリブを1切れずつ購入。

なんすかこの贅沢

なんすかこの贅沢

残ってた卵で例のごとくオムレツを作り、オーガニック八百屋で買った、さくらんぼの概念を変えるさくらんぼと残り野菜、フランス人の友人Arnaudさんから分けてもらったパンとともに。

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肉汁

三 ツ 星 レ ス ト ラ ン で す か こ こ は !

味を一言で言い表わせば、

栄養たっぷりの餌をモフモフした後、野っ原を好きに駆け巡る、ハツラツとした鶏ちゃんと豚ちゃんの姿が目に浮かぶ味!!!

ひとりたった300円で、冷凍食品をレンジであっためる程度の手間と時間で、この超ハイクオリティミックスグリルがいただけるなんて、もう外で食べることに意味すら見いだせない。
最後、下手に食べに行かなくて正解だったね、と、父も喜んでくれた様子。

彼曰く、「18ユーロくらいで出せますよ」
ケバブ3個分くらいの値段です。
光栄です。

だが何度も言うように、ちびろっくはただフライパンで食材を温めているだけなのである。

この国の食材のポテンシャルの高さ、人々の食材へのこだわりは説明しきれない。
なぜそこまでこだわるのか?

難しいことは何もない、新鮮で良い食材、気の合う友達と家族、のんびり過ごす時間、おいしいお酒、それだけのアイテムで、これだけ幸せな時間が過ごせるなら、そうするに決まってるジャマイカ!

食べるという誰しもが行う当たり前の行為。
ちょっとこだわるだけで、こんなにも素晴らしいイベントに昇華するもんだね。
霞を食って生きる仙人とか不憫だね!

料理 in パリ、想像を超えた食材のうまさにひっくり返りっぱなしでありました。
毎回毎回、おいしがって食べてくれて、照明係もかってでてくれた父にも感謝。

その子ばりに照射される皿たち

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