バンコク、食欲と、それと
バンコクの板橋区
タイに無事帰って、文明をあびまくる。 舗装された道路、自動販売機、添加物いっぱいだけどお腹は痛くならないオレンジジュース。
それだけのことが、どんなにすごいことか。てか、
マジ超発展してんだけど!
とギャル、ギャル男なら甲高く叫ばずにはいられないこのタイの先進国ぶり。これがいいか、悪いかはべつとしてだ。線いっぽんこえただけで、世界ががらり変わる、これが国境越えの面白さ。
で、なんと今回はイギリス人経営のゲストハウスを予約しているのである。その名もAsha Guesthouse。バンコクは北のほう、東京でいうと板橋区くらいの雰囲気のサパンクワイ(※図1)という地区にある。これも気にいった。ツタヤとセブンとピザハットとビックC(ダイエーみたいの)があるので、住むにも何ら不便はない。むしろ、普段いく機会なんてありゃしない地域だから、あえて選んでみたのだ。板橋、用事がない…。ごめんよ、板橋区民のみなさん。
タイ国境からの超豪華バスは、旅行者群がるカオサンに到着。おいら、もうカオサンっ子じゃないんだ。と、少し寂しい気もしながら、大人の階段登って、ゲストハウスに電話。
しかし。「はい?」とふつうに出た電話のむこうのおっさんは、どう甘く見ても接客業に従事してる人間とは思えない無愛想さ。
「あーしゃ・げすとはうすですかね。」「は?」「あーしゃ・げすとはうすじゃないの?」「…」
間違えた。
間違えたというか、このサイトに掲載された番号が、まず違うじゃん!
ま、いいか、直接いってみよー。
ということで、さぱーんくわい、いんたまらー、そい3ー。とタクシーの運転手につたえ、無事ついたバンコクのはずれ、Asha Guesthouse。
鉄の門がひらくと、何でもやってくれそうなにこやかなおじさんと、わかりやすすぎる富の象徴・高級外車が我々をむかえてくれた。イギリス人のだんなさんと、タイ人の奥さんが経営しており、プールあり(※図2)、おいしいレストランあり、タオルや石けんのサービスあり、部屋キレイ、ネットできる、ブランコある、これがたったの350バーツ(ひとへや1000円ちょい)からと、破格のおねだんで大変恐縮な思いになる宿だ。
プール付き?プール付きの宿なんて、自分で旅するようになってから泊まった記憶はない。アミューズメント設備といえば、ベトナムにて宿の裏手が公共のテニスコートだったため、朝5時からから歓声をあげまくるおばちゃん達に起こされた事しか思い出せない。
「グエンさん、右あいてるわよ、右!!」「フォンさん足もつれてるわよ!!」「うちの旦那、今日も朝からバイクいじくって働かな…」(イメージ)
ただし!シャワートイレは共同。だが、こうるさい欧米人のためにか、洗面台に貼り紙が。
「この建物はとても古いけど、
日に2回磨き上げているので
大変清潔です」
に、2回も…!!パッと見、なにが汚く見えるのかもよくわからないが、ちょっと都心やカオサンから離れれば、こんなに条件のよい宿があるもんなのか。大変恐縮です。
バンコクの熱くてねちっこい夜
まそんなこんなで、翌日はタイがはじめてのトドマン合流。空港までバスでむかえにいくも、ドンムアンまでの道はやっぱり大渋滞で、少々おくれる。が、プハーとタバコをふかしてのんびりまっていたので、まあタイは大丈夫だろうと安心しきり。
バンコクの、アングラすぎない、そこそこキョーレツな夜を体験してもらうには、どこだ?と考えたら、やっぱりあそこだ。シーロム・ソイ4(※図3)。
シーロムという地区のなかでも、ソイ4という通りは、ご存知の方にとっては、ご存知で当たり前というくらいの路地。路地とはいえ、あなたが今イメージした「路地」より、おそらく人の多さも消費電力量もリビドー濃度も、すべて100倍くらい異なると思う。
赤とかピンクとか紫がつよめのフィルターがかかって、酒とフェロモンのによい漂うこの路地は、特に日本のOSSANに人気の、パッポンとかタニヤとかよりも欧米色がつよく、ヒップホップのクラブがあったりするオシャレストリートなのだが、何がキョーレツかって、通常人類はメスとオスが連れ合い、動物の根本の目的である遺伝子を残すという本能、そして本能というものは欲望と名を変えて表面化すると人間そのものを変え(以下略)
ということで、平たく言うとゲイ路地である。
ふつうの夜遊びもできるので、ふつうの人もたくさんいますが、目がいくのはやはり、
「言葉はお互いあんまりよくわからないからしゃべらないけど、今日一晩過ごすにはべつにそんなことどうでもいい」
という、若いタイ男性と若かったり若くなかったりの欧米人男性カップル。微笑ましいですね。
バーの店員さんも名前のはいったTシャツなんか着てみちゃったりして。
島崎俊郎みたいな方に、トイレどこか聞いたら、
「レディ~~ス?アップステア~~ズ!」
なんてくねくねされたり。
今回かわいかったのは「balcony」というバーではたらく、ビーさん。ニコニコと笑顔たやさず、てきぱきと素早く仕事をこなし、身のこなしは女性以上にしなやか。かといって接客はマニュアルぽくなく、日本のお店からだってスカウトが来そうな魅力的な働き方をする人。ところで、いくらとりつくろってたってね、人間思いもよらぬところで素が出るもんです。誰かが何かを落としたかで、大きな音がしたとき、このビーさん、「ハッ!」と驚いて、怯えた様子で手を口に。完全に女性だった彼のその姿を、本気でかわいいと思った。彼に、「女」を学んだ気がした。ビーさん、元気だろうか。みかけたかた、優しくしてあげてください。女以上に女ですから。
そしてほほえましい数々の光景を目にした我々は、例のSpeedにて、べったべたのメガヒット・チューンがガンガンにかかるなか、変な外国人にもみくちゃにされるのであった。
タイにありがちすぎるコメディ映画を堪能
MBKで、言葉わかんなくてもわかりそうな「ルアン・ピー・テーン」(The Holy Man)(※図1)という映画をみてみた。元々ヤクザだった男が、迷信とかお化けとかが本気で信じられてる村にお坊さんとして派遣されるという感じだ。誰かが「悪いのはあいつだ!」と言えばそちらへ、「違う、あいつだ!」といえばそちらへ、簡単に流されてしまう集団心理の恐ろしさなど、訴えかけるものは多い。が、
7割方下ネタ
だ。
監督は、「私個人は、収益はあまり期待していない。以前より、
罵倒が減ればと思っている
(笑)」とコメントしていたようだが、ギアと間違えて助手席に乗るお坊さんの○○○を握ってしまったり、○○○を押さえながら川に飛び込むハラハラ・アクションシーンでは、お客さんは男も女も大喜びでしたので、罵倒は大丈夫と思います。
高級ホテルの死角にひそむ、秘密の花園を探して
とあるバンコク在住、さわやかで有名な日本人の方との感動の対面ののち、我々はタクシーに乗り込むやいなや、「ヒルトン・インターナショナル」と運転手に告げる。現在はヒルトンではなく、「ナイラート・パーク」という別のホテルになっている。宿泊客でないことはバレバレである。
もちろん、我々はここに泊まるとかランチを楽しむとかスパで癒されるとか、そんな至極当たり前の理由でここに来たわけではない。ニャンと、一等地に建つこんなリッパなホテルの片隅に、さすがのパリスたんも腰を抜かしそうな
○○○がニョキニョキ生えているという
神社があると聞きつけ、その噂の真相を確かめに参った次第である。
ホテル入り口でさっそうとタクシーを降り、ドアボーイにドアを開けられ大変恐縮し、この人は我々の真の目的を知ってもこうして開けてくれるのだろうか?と変な不安みたいのを感じながら、できるだけきょろきょろしないよう手がかりを探す。
レトロ・フューチャーなスケルトン椅子がぶら下がるラウンジを横目に、緑あふれる中庭をぬけ、はれて裏庭に到着。時々すれ違う、まっとうな宿泊客であろう老夫婦に対する後ろめたい気持ちを隠しながら4人がかりで捜索するも、結局のところそれを発見できず…。
大して広い庭でもないのに見つけられなかったのは、○○○の神が我々にその資格を与えなかったからだ、ということで(もし思い出したなら)次回またチャレンジすることとした。
そしてこの旅最大のクライマックスへ。
おっと、その前に写真をどうぞ。右上にあるよ。